「将来のためにコツコツお金を増やしたいけど、何から始めたらいいかわからない…」
そんな風に考えているなら、「貯蓄型投資信託」は有力な選択肢の一つです。毎月決まった金額を積み立てることで、時間分散の効果が期待でき、無理なく資産形成を目指せるのが魅力。しかし、数多くの投資信託の中から、自分に合った商品を選ぶのは簡単ではありません。
そこで本記事では、貯蓄型投資信託を選ぶ際に絶対に押さえておきたい注意点をわかりやすく解説し、どのような商品を選ぶのが良いのか、具体的なアドバイスを徹底的に掘り下げていきます。
「なんとなく」で選んで後悔しないために、ぜひ最後までお読みいただき、賢い資産形成の一歩を踏み出してください。
目次
貯蓄型投資信託とは?そのメリットと注意点
まず、貯蓄型投資信託とはどのような商品なのでしょうか?
投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用の専門家(運用会社)が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。その中でも「貯蓄型」と呼ばれるものは、毎月など定期的に一定金額を積み立てていくことに特化したタイプを指します。
貯蓄型投資信託の主なメリット
- 少額から始められる: 多くの貯蓄型投資信託は、月々数千円からと少額で積立を開始できます。「まとまったお金がないから投資は無理…」と感じている方でも、気軽に始めやすいのが魅力です。
- 時間分散の効果: 定期的に一定額を積み立てることで、購入時期を分散できます。これにより、価格変動のリスクを抑え、高値掴みの可能性を低減する効果が期待できます。
- 自動積立で手間いらず: 一度設定すれば、毎月自動的に銀行口座から引き落とされて投資されるため、手間がかかりません。「忙しくてなかなか投資の時間が取れない」という方でも、無理なく続けられます。
- 専門家による運用: 集められた資金は、運用の専門家が市場の動向などを分析しながら運用を行います。投資の知識や経験が少ない方でも、プロの力を借りて資産運用ができます。
- 複利効果が期待できる: 運用によって得られた利益を再投資することで、利益がさらに利益を生む「複利効果」が期待できます。長期間積み立てるほど、この効果は大きくなります。
貯蓄型投資信託の注意点
- 元本保証がない: 投資信託は預金とは異なり、元本が保証されているわけではありません。市場の変動によっては、投資した金額を下回る可能性もあります。
- 手数料がかかる: 投資信託の運用には、販売手数料、運用管理費用(信託報酬)、信託財産留保額などの手数料がかかります。これらの手数料は、運用成績に影響を与えるため、しっかりと確認する必要があります。
- 運用成績は市場環境に左右される: 投資信託の運用成績は、株式市場や債券市場などの市場環境によって大きく左右されます。常にプラスの収益が得られるとは限りません。
- 途中解約のリスク: 途中で解約する場合、市場の状況によっては損失が出る可能性があります。また、信託財産留保額が発生する場合もあります。
貯蓄型投資信託を選ぶ際の5つの重要ポイント
上記を踏まえ、実際に貯蓄型投資信託を選ぶ際に注意すべき5つの重要ポイントを解説します。
1. 投資目的と目標金額、期間を明確にする
まず最初に、「何のために」「いつまでに」「いくら」貯めたいのか、投資の目的と目標金額、期間を明確にしましょう。
- 投資目的: 老後資金、教育資金、マイホーム購入資金など、具体的な目的を持つことで、適切なリスク許容度や投資対象が見えてきます。
- 目標金額: 目標とする金額を設定することで、毎月の積立金額や期待リターンを考える際の目安となります。
- 投資期間: 短期・中期・長期のいずれの期間で積み立てるかによって、適切なリスクを取れる度合いや投資対象が変わってきます。一般的に、長期投資の方がリスクを抑えやすいと言われています。
これらの要素を明確にすることで、数多くの投資信託の中から、自分のニーズに合った商品を選びやすくなります。
2. リスク許容度を把握する
投資には常にリスクが伴います。自分がどれくらいのリスクを取れるのか(リスク許容度)を把握することは、商品選びにおいて非常に重要です。
- 安定志向型: 元本割れのリスクを極力避けたい方は、ローリスク・ローリターンの商品(例:債券中心の投資信託)が適しています。
- バランス型: ある程度のリスクは許容できるが、安定性も重視したい方は、株式と債券などをバランス良く組み合わせた投資信託が適しています。
- 積極型: 高いリターンを目指したい方は、ハイリスク・ハイリターンの商品(例:株式中心の投資信託、新興国株式など)も選択肢に入ります。
自身の年齢、収入、資産状況、投資経験などを考慮し、無理のない範囲でリスクを取れる商品を選びましょう。
3. 手数料(コスト)を比較検討する
投資信託には様々な手数料がかかります。これらの手数料は、長期的に見ると運用成績に大きな影響を与える可能性があります。
- 販売手数料: 購入時に一度だけかかる手数料です。ノーロード(販売手数料無料)の投資信託も多くあります。
- 運用管理費用(信託報酬): 運用期間中に継続的にかかる費用で、信託財産の純資産総額に対して一定の割合で徴収されます。年率で表示されており、低いほど有利と言えます。
- 信託財産留保額: 解約時にかかる場合がある費用です。
同じような投資対象の投資信託であれば、手数料が低い方が有利になる傾向があります。目論見書などで手数料の詳細を必ず確認し、比較検討しましょう。
4. 運用実績と運用方針を確認する
過去の運用実績は、将来の運用成果を保証するものではありませんが、投資信託の運用能力を判断する上で参考になります。
- 運用実績: 短期的な成績だけでなく、中長期的な運用実績(3年、5年など)を確認しましょう。類似の投資信託と比較することも重要です。
- 運用方針: どのような資産に、どのような戦略で投資しているのかを確認しましょう。自分の投資目的やリスク許容度に合った運用方針であるかどうかが重要です。
- 運用体制: どのような運用会社が、どのような体制で運用を行っているのかも確認しておくと安心です。
これらの情報は、各投資信託の目論見書や運用報告書、運用会社のウェブサイトなどで確認できます。
5. 分散投資を意識する
一つの投資信託に集中投資するのではなく、複数の異なる種類の投資信託に分散して投資することで、リスクを低減する効果が期待できます。
- 投資対象の分散: 国内株式、海外株式、国内債券、海外債券など、異なる資産に投資する投資信託を組み合わせる。
- 地域の分散: 先進国だけでなく、新興国など異なる地域の株式や債券に投資する投資信託を組み合わせる。
- 時間の分散: 貯蓄型投資信託による積立投資自体が時間分散の効果を持っていますが、さらに異なるタイミングで異なる商品を購入することも有効です。
貯蓄型投資信託を選ぶ際のおすすめの考え方と商品例
上記の注意点を踏まえ、具体的にどのような貯蓄型投資信託を選ぶのが良いのか、いくつかの考え方と商品例をご紹介します(個別商品の推奨ではありません)。
1. コストを抑えたいなら「インデックスファンド」
特定の株価指数(例:日経平均株価、TOPIX、S&P500など)の値動きに連動するように運用されるインデックスファンドは、一般的に運用管理費用が低く設定されている傾向があります。
- メリット: 低コストで市場全体の成長を取り込むことが期待できる。
- 注意点: 市場全体が下落すると、連動して基準価額も下落する。
2. バランスを取りたいなら「バランス型ファンド」
国内外の株式や債券など、複数の資産に分散投資されているバランス型ファンドは、リスクを抑えつつ安定的な成長を目指したい方におすすめです。
- メリット: 一つのファンドで分散投資が実現できるため、管理が楽。
- 注意点: 個別資産の配分比率や運用方針はファンドによって異なるため、自分のリスク許容度に合ったものを選ぶ必要がある。
3. テーマに共感できるなら「テーマ型ファンド」
特定の成長が期待されるテーマ(例:AI、再生可能エネルギー、ESGなど)に特化して投資するテーマ型ファンドは、高い成長性を期待できる反面、値動きも大きくなる傾向があります。
- メリット: 高いリターンが期待できる可能性がある。
- 注意点: 特定のテーマに集中投資するため、リスクが高い。
4. 投資初心者なら「つみたてNISA」を活用する
つみたてNISAは、少額からの積立投資を非課税で行える制度です。年間40万円までの投資額に対して、最長20年間、運用益が非課税となります。投資初心者の方にとっては、税制優遇を受けながら積立投資を始められるため、非常におすすめです。
つみたてNISAの対象商品は、金融庁が定めた一定の基準を満たす、比較的低リスクで長期的な積立に適した投資信託に限定されています。
まとめ:長期的な視点で、自分に合った貯蓄型投資信託を選ぼう
貯蓄型投資信託は、少額からコツコツと資産形成を目指せる有効な手段です。しかし、元本保証がないことや手数料がかかることなど、注意点も理解しておく必要があります。
今回解説した5つの重要ポイント(投資目的、リスク許容度、手数料、運用実績、分散投資)をしっかりと押さえ、ご自身の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが、長期的な資産形成の成功への第一歩となります。
焦らず、じっくりと情報収集を行い、納得のいく貯蓄型投資信託を見つけて、未来の資産を着実に築いていきましょう。そして、もし迷うことがあれば、金融機関の窓口やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などに相談することも検討してみてください。
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