「将来のために、そろそろ本気でお金のことを考えないと…」
あなたは今、そんな漠然とした不安を抱えていませんか?
老後2000万円問題、子どもの教育費、住宅ローン…。考えれば考えるほど、お金の悩みは尽きません。その不安を解消しようと、「節約しなきゃ」「貯金しなきゃ」と焦るものの、何から手をつけていいか分からない…。そんな経験、誰にでもあるはずです。
もし、あなたがそんな状況なら、ぜひ「家計簿」を始めてみてください。
「え、家計簿?ただ面倒なだけで、節約につながるイメージしかない…」
そう思ったかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。家計簿は、単なる節約ツールではありません。あなたの「現在地」を正確に把握し、理想の未来へと導いてくれる「未来の地図=ライフプラン」を作るための、最強のツールなのです。
この記事では、これまで家計簿に挫折してきた方や、つける意味を見出せなかった方に向けて、家計簿を最大限に活用し、自分だけのライフプランを立てる方法を、4つのステップで分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは家計簿に対するイメージが180度変わり、「自分にもできるかも!」と、未来への希望に満ちた一歩を踏み出せるはずです。
ステップ1:家計簿で「現在地」を知る~完璧じゃなくていい、まずはお金の流れを掴もう~
ライフプランニングの第一歩は、自分の「現在地」、つまり**「毎月、何に、いくら使っているのか」を正確に把握すること**から始まります。目的地がどんなに素晴らしくても、自分が今どこにいるのか分からなければ、たどり着くことはできませんよね。
家計簿の目的は「節約」だけじゃない
多くの方が、家計簿=節約のため、と考えがちです。もちろん、無駄な出費を減らす効果もありますが、もっと大切な目的があります。それは、**「自分のお金の使い方と価値観を知ること」**です。
- 自分が何にお金を使うと幸せを感じるのか?
- 逆になんとなく使ってしまい、後悔している出費は何か?
お金の流れを記録することで、自分の消費行動に隠された「価値観」が浮かび上がってきます。これが、後々のライフプラン作成で非常に重要なカギとなるのです。
挫折しない!家計簿の始め方
「でも、家計簿って面倒で続かない…」という方もご安心ください。大切なのは、完璧を目指さないこと。1円単位で合わせる必要はありません。まずは1ヶ月、ざっくりとでもいいので続けることを目標にしましょう。
今は、便利なツールがたくさんあります。
- 家計簿アプリ(Money Forward ME、Zaimなど)
- おすすめ度:★★★★★
- 銀行口座やクレジットカードを連携すれば、自動で収支を記録してくれます。レシートをスマホカメラで撮るだけで入力できる機能もあり、とにかく手間をかけたくない方に最適です。グラフで支出の内訳を視覚的に見せてくれるので、お金の流れが直感的に分かります。
- 手書きのノート
- おすすめ度:★★★☆☆
- 自分の手で書くことで、お金と向き合う実感が湧きます。自分好みにカスタマイズできる自由度の高さも魅力。ただし、集計は手作業になるため、手間はかかります。
- Excelやスプレッドシート
- おすすめ度:★★★★☆
- PC操作に慣れている方なら、自分だけのフォーマットを作れます。関数を使えば計算も自動。Web上には多くのテンプレートも存在します。
どの方法でも構いません。自分が「これなら続けられそう」と思えるものを選びましょう。
記録する項目
記録するのは、大きく分けて「収入」と「支出」です。
- 収入:給料(手取り額)、ボーナス、副業収入など、入ってくるお金すべて。
- 支出:
- 固定費:毎月ほぼ同額が出ていくお金。
- 例:家賃・住宅ローン、水道光熱費、通信費(スマホ・ネット)、保険料、サブスクリプションサービスなど
- 変動費:月によって変動するお金。
- 例:食費、日用品費、交際費、趣味・娯楽費、交通費、医療費、被服費など
- 固定費:毎月ほぼ同額が出ていくお金。
まずは1ヶ月。とにかく記録を続けて、月末に「何にいくら使ったか」を眺めてみましょう。それだけで、今まで見えていなかった多くの発見があるはずです。
ステップ2:家計簿を分析する~あなたの「課題」と「大切にしたいこと」を見つける~
1〜3ヶ月ほど家計簿をつけ続けると、あなたのお金の流れの「傾向」が見えてきます。ここからは、記録したデータを分析し、自分の家計の健康状態と、お金に関する価値観を深く掘り下げていきましょう。
家計の健康診断をしよう
まずは、家計全体のバランスを確認します。
- 収支は黒字か?赤字か?
収入 - 支出 = プラス
になっていますか?もしマイナスなら、どの項目が原因で赤字になっているのかを探りましょう。
- 支出の「割合(%)」を見てみよう
- 手取り収入に対して、各支出項目が何%を占めているか計算してみましょう。例えば、「食費が収入の25%を占めている」「固定費だけで収入の50%を超えている」など、金額だけでは分からなかった実態が見えてきます。
- 見直しのヒント
- 固定費が高い場合:スマホを格安SIMに変える、不要な保険を見直す、使っていないサブスクを解約するなど、一度見直せば効果がずっと続くため、優先的に手をつけるのがおすすめです。
- 変動費が高い場合:特に食費や交際費、趣味・娯楽費は、自分の価値観が反映されやすい項目です。本当にその支出は必要だったか、振り返ってみましょう。
支出から「あなたの価値観」を発見する
ここが最も重要なパートです。支出のリストを眺めながら、自分に問いかけてみてください。
- 「この支出は、私の人生を豊かにしてくれた」と思えるものはどれか?
- 友人との旅行、自己投資のための書籍代、心から楽しめる趣味の費用など、金額が高くても「価値ある支出」と感じるものがあるはずです。
- 「これは、何となく使ってしまったな」と後悔するものはどれか?
- コンビニでのついで買い、惰性で参加した飲み会、セールで買ったけど着ていない服など、「なくてもよかった支出」も見つかるでしょう。
この仕分け作業をすることで、あなたが「何にお金をかければ幸せを感じるのか」という、自分だけの価値観が明確になります。
節約とは、単に支出を切り詰めることではありません。「価値のない支出」を減らし、その分を「価値ある支出」や「未来のための貯蓄」に回すことなのです。この価値観こそが、あなたらしいライフプランの土台となります。
ステップ3:未来を描く~ライフプラン表で人生のイベントを「見える化」する~
現在地と自分の価値観が分かったら、いよいよ未来の地図、「ライフプラン表(キャッシュフロー表)」を作成します。これは、将来の収入や支出、貯蓄残高の推移を予測する一覧表のこと。難しく考える必要はありません。まずは、あなたの「夢」や「目標」を棚卸しすることから始めましょう。
1. ライフイベントと必要資金を洗い出す
これから先の人生で起こりうる、あるいは実現したいイベントを、思いつくままに書き出してみましょう。
- 結婚:結婚式の費用、新婚旅行など
- 出産・子育て:出産費用、教育費(幼稚園〜大学まで)など
- 住宅:頭金、住宅ローンの返済、リフォーム費用など
- 車:購入費用、維持費、買い替え費用など
- 趣味・旅行:年に一度の海外旅行、大きな買い物など
- キャリア:転職、独立・起業、資格取得など
- セカンドライフ:老後の生活費、趣味の費用など
それぞれのイベントに「いつ頃(何歳で)」「いくらくらい必要か」を調べて、ざっくりと記入します。正確な金額でなくても大丈夫です。「大学進学費用 一人暮らし」「住宅購入 頭金 平均」のように検索すれば、目安となる金額が見つかります。
2. ライフプラン表を作成する
ExcelやGoogleスプレッドシートを使うと便利です。(「ライフプラン表 テンプレート」で検索すると、無料で使えるものがたくさん見つかります)
以下のような簡単な表を作ってみましょう。
年齢(西暦) | 家族構成 | ライフイベント | 収入(年間) | 支出(年間) | 特別支出 | 年間収支 | 貯蓄残高 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
30歳 (2025) | 本人 | 400万円 | 250万円 | 0円 | 150万円 | 300万円 | |
31歳 (2026) | 本人 | 410万円 | 250万円 | 0円 | 160万円 | 460万円 | |
32歳 (2027) | 夫婦 | 結婚 | 600万円 | 350万円 | 200万円 | 50万円 | 510万円 |
35歳 (2030) | 夫婦+子1人 | 出産、住宅購入 | 650万円 | 400万円 | 500万円 | -250万円 | 260万円 |
… | … | … | … | … | … | … | … |
Google スプレッドシートにエクスポート
ポイント
- 収入:昇給なども考慮して、少し保守的に見積もるのがコツです。
- 支出:家計簿から算出した「年間の基礎生活費」を記入します。家族が増えれば、その分上乗せします。
- 特別支出:先ほど洗い出したライフイベントにかかる費用を、該当する年に記入します。
- 年間収支:
収入 - 支出 - 特別支出
- 貯蓄残高:
前年の貯蓄残高 + 年間収支
この表を作成すると、**「このままだと、子どもの大学進学時に貯蓄がマイナスになってしまうな…」「老後資金が思ったより貯まらないかもしれない」**といった、将来のお金の課題が具体的に「見える化」されます。
不安になるかもしれませんが、大丈夫です。課題が分かれば、対策が打てます。これがライフプランニングの最大のメリットなのです。
ステップ4:家計簿を「コンパス」にする~未来に向かって軌道修正を続ける~
ライフプラン表で課題が見えたら、それを解決するために日々の家計管理に落とし込んでいきます。ここでも、家計簿があなたの強力な「コンパス」となります。
1. 目標貯金額を設定する
ライフプラン表の課題を解決するために、「いつまでに、いくら貯める必要があるか」を逆算し、「毎月〇万円」「ボーナスから〇万円」という具体的な貯蓄目標を設定します。
例えば、「10年後に住宅購入の頭金として500万円貯めたい」という目標ができたら、
500万円 ÷ 10年 = 年間50万円
50万円 ÷ 12ヶ月 = 月々約4.2万円
というように、日々の目標が明確になります。
2. 予算を立てて実行する(PDCAサイクル)
目標が決まったら、それを達成するための「予算」を立てます。ステップ2で見つけた自分の価値観を思い出し、「価値のない支出」を削って貯蓄に回す計画を立てましょう。
そして、日々の生活ではこの予算を意識しながら家計簿をつけ続けます。これが、有名なPDCAサイクルの実践です。
- Plan(計画):目標に基づき、毎月の予算を立てる。
- Do(実行):予算を意識して生活し、家計簿をつける。
- Check(評価):月末に、予算通りにできたか、なぜできなかったかを振り返る。
- Action(改善):反省点を活かして、翌月の予算や行動を改善する。
このサイクルを回し続けることで、家計は着実に改善され、目標達成に近づいていきます。
3. ライフプランは定期的に見直す
ライフプランは一度作ったら終わりではありません。転職や結婚、出産といった大きな変化があれば、その都度見直しましょう。また、特に変化がなくても、年に1回は見直すことをおすすめします。状況の変化に合わせて計画を柔軟に修正していくことで、地図は常に正確なものになります。
まとめ:家計簿は、あなただけの未来を創るクリエイティブなツール
いかがでしたか?
家計簿は、決して面倒なだけの作業ではありません。
- 自分の現在地とお金の価値観を知り、
- 理想の未来(ライフプラン)を描き、
- 目標に向かって、日々の航路を調整していくためのコンパス
なのです。
それは、まるで自分の人生という壮大な冒険の航海図を手に入れるようなもの。どこに向かっているのか分からない不安な航海から、目的地が明確で、自信に満ちた航海へと変わります。
完璧である必要はありません。まずはアプリをダウンロードしてみる、ノートを開いてみる。その小さな一歩が、あなたの未来を大きく変えるきっかけになります。
さあ、今日から家計簿という名のコンパスを手に、あなただけの豊かな人生をデザインする旅へ出発しましょう!
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